「生きるようになるために」 04.12.19
ヨハネの手紙一 4:7〜12
クリスマスには、「おめでとうございます」と互いに祝い合います。
それは、私たちが「生きるようになった日」だからです。
<神は、独り子を世にお遣わしになりました。その方によって、
わたしたちが生きるようになるためです>(9節)。
人が本当に「生きる」人になるのは、互いに愛しあうことによって
です(7・12節)。人は、他者を愛する心を持っている時にこそ、
いきいきと生きることができます。クリスマスは、私たちの内に人を
愛する心を生み出し、真に生きる者へと変えてくれます。
クリスマスは、神さまから私たちに注がれている大きな愛が
明らかにされました。そもそも、神さまが「独り子を世に遣わす」と
いう尋常でないことをしてくださったのは、どうしてでしょうか。
また、誰のためでしょうか。
神さまやイエスさまのために起こった出来事ではありません。
私たちのためにでした。私たちのために、あえて起こしてくださった
出来事です。私たちの罪を償うためにです。そのためにあえて、
罪を償ういけにえとするために、イエスさまを送ってくださいました。
神さまは、私たちのために、大きな痛みと損失を伴う出来事を
起こしてくださいました。
クリスマスは、自分(神ご自身)に向かうのでなく、他者(人、しかも
罪のある)に向かう愛があふれているからこそ起こりました。
そのような神さまの大きな愛が自分に注がれていることを本当に
知ったならば、人間の心は、必ず揺り動かされ、人を愛する心が
生み出されてきます。人間は、神さまの愛の衝撃をうけたら、
じっとしてはいられないのです。波紋を起こし、愛を広げるものとして
創られているからです。
たとえ小さな愛しか他者に向けられないとしてもよいのです。
そこから、真に生きる道が始まり、また愛する業も必ず
広がっていくでしょう。
他者を愛する心を持って生きるところでこそ、私たちを愛して
やまないイエスさまが、共にいて(インマヌエル)、支え、
励まして下さいます。